彼女は看護師の鏡です

私にとって最高の看護師さんは、なんといっても、職場の保健室の看護師さんです。

福岡の支社にいて、九州一円を世話している看護師さんなのですが、入社したのが同期ということもあって、親しくしてもらっていました。私は福岡ではないので、たまに電話や、彼女が出張してきたときに会うくらいでしたが、いざというときに、本当によくしてもらいました。
5年前の仕事始め、私は出勤することができませんでした。ベッドから起きようとしても体が動かないのです。翌日もそんな状態でした。
そのとき、たまたま、看護師の彼女が私に用事があって、2日連続で電話をしてきたみたいなのですが、仕事始めからいきなり休むなんて、何だかただごとではないと感じてくれたようで、携帯に電話をくれました。それで、事情を説明すると、「明日、行くから」と言って、翌日、本当に福岡から飛んできてくれました。
実は私は、その前年から、心療内科にかかっていました。職場の人間関係で、極度の緊張にさらされながら働いてきて、体調が限界に近かったのです。そんなことは、彼女には言っていませんでしたが、そういう事情を話した時に、すぐに動いてくれました。私は「インフルエンザとか言って、1週間ほど休みをもらえれば何とか復活するから」と言ったのですが、彼女はことの重大さを私よりも感じてくれて、「いや、職場のことは、何も考えなくていいから、とにかく、休めるだけ十分休んで」と言ってくれました。そしてさっそく、私の上司に掛け合ってくれて、長期の休職生活に入ることになりました。
彼女がいなかったら、私はたぶん、ムリヤリ通勤を始めて、とりかえしのつかない体調になっていたかもしれません。
その後も、遠いのに何度も足を運んでくれて、様子を見に来てくれました。さらに遠い県外の病院に入院したときも、わざわざお見舞いに来てくれました。
九州一円、1人で受け持って忙しかったでしょうに、感謝は尽きません。命の恩人といっても過言ではありません。
結局私は、そのまま退職することにしました。体調が完全によくなることはなさそうだったし、そんな状態で職場にとどまることは、かえって会社に迷惑になるだろうと思ったからです。でも彼女は、私が退職してからも、誕生日に電話をくれたり、いろいろと相談にのってくれたりして、本当によくしてくれました。看護師の鏡だなあと感動しています。
近々福岡に行く予定になったので、彼女に会おうと電話してみたら、とても喜んでくれました。せっかくの日曜日だし、何か予定をいれていたかもしれないのに、本当にありがたいなあと思いました。会うのが楽しみです。